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【導入事例】貿易実務のDX

4種の帳票紐付けと複雑な割振ロジックを

LLM型AI-OCR「FIXIA-CONEX」で自動化

2026年4月2日

■ 導入の背景:4つの異なる帳票が混在する「紐付けの迷宮」

電子部品の製造・流通をグローバルに展開するA社では、輸出時に不可欠な貿易書類の作成業務が、全社的なDX推進における最大のボトルネックとなっていました。

 

この業務の最大の障壁は、関連する情報の「断片化」と「複雑な依存関係」にあります。1件の貿易書類を作成するために、担当者は発行元もフォーマットも異なる4つの帳票に記載されている内容を正確に紐付けなければなりません。さらに、海外製造拠点からの情報や、船積み書類との整合性確認も加わります。

 

特に困難を極めていたのが、数量の「割り振り」ロジックです。数十行に及ぶ注文書データから他の帳票の記載内容を踏まえて該当品目を特定し、それを複数の帳票に分散して記載された数量と突き合わせ、さらに「箱番号(BOX No.)」や「原産国」ごとに細かく振り分ける作業が求められました。これらは単純な文字起こしでは対応できず、熟練の担当者が前後の文脈を読み解きながら、パズルのように組み上げる「高度な専門性」が必要な領域でした。最大16件(数十ページ)にも及ぶ書類群をデスクに並べ、数時間をかけて目視と手作業で転記を行う状況は、負荷が著しく高い業務でした。

 

■ FIXIA-CONEXによるソリューション:実務の「痒い所に手が届く」専用設計

この課題に対し、弊社はLLM(大規模言語モデル)を基盤とした次世代型AI-OCR「FIXIA-CONEX」を活用し、A社専用の自動化アプリケーションを構築しました。単なる「紙のデジタル化」に留まらず、貿易実務特有の複雑な商流ロジックをLLMと組みあわせて実装することで、以下のソリューションを実現しました。

  1. 「基準日」設定による柔軟な過去データ解析: 実務上の大きな悩みであった「納期遅れ」や「分納」への対応です。本来、AIは未来や過去の不規則なデータを結びつけるのを苦手としますが、ユーザーが「基準日」を任意に設定することで、LLMがその日付以降の未処理の帳票を自動的に探索し、現在の出荷分と紐付ける動的な判定機能を実装しました。

  2. マルチ帳票の自動突合と表記ゆれの吸収: 4種の帳票間で異なる「品目名」や「管理コード」の微細な差異を、LLMが「意味の同一性」に基づき同一のデータとして認識。座標設定不要(Zero-shot)で、多種多様なフォーマットを瞬時に統合・構造化します。

  3. 現場ファーストのUI/UX設計: 「1枚の帳票ミスで最初からやり直したくない」という現場の切実な声に応え、解析対象となる各帳票の過不足の自動確認や、解析後に特定書類のみを差し替え・再解析できる機能を搭載。また、解析データと元PDFを同一画面でプレビューできる機能により、確認作業の時短を徹底しました。

  4. 出力前の最終確認「プレビュー・エディタ」の搭載:最終的なExcel帳票を出力する前に、解析結果を一目で確認・修正できる専用のプレビュー画面を実装しました。画面上のボタンから、基となる元データ(PDF等)を即座に参照できる仕様となっており、複数のファイルを手動で探し出す手間を大幅に削減。解析データとの整合性を簡易かつ迅速に照合できるため、実務担当者が「確信を持って」最終チェックを行える、極めてミスの起きにくい業務フローを実現しました。

 

■ 導入の効果:作成時間を最大95%削減、人為的ミスは「ゼロ」へ

システム稼働後、A社の現場には劇的な変化が訪れました。 これまで1件の貿易書類作成に「1〜3時間」を費やしていた業務が、わずか「5〜10分」へと短縮されました。これは時間にして最大95%の削減であり、担当者が本来注力すべき例外対応や管理業務に時間を割けるようになったことを意味します。

 

また、懸念されていた「数量の転記ミス」や「原産地の見落とし」等による手戻りも完全に解消されました。約

 8 万データの試行で「完全一致率99.4%」を記録したFIXIA-CONEXの精度が、貿易実務という「1円、1個のミスも許されない」現場の信頼を勝ち取った形です。

 

【お客様の声】

 「自社システムと海外拠点、発注先の情報の紐付けに毎日頭を悩ませていました。AIという未知の領域に不安もありましたが、私たちの複雑な業務フローを根気よく理解し、細かな希望をすべて形にしていただいたことに感謝しています。特に、納期遅れ分への対応や帳票の差し替え機能など、現場の『こうなれば助かる』が実現し、今では手放せないシステムとなりました。」

■ お問い合せ

弊社は、単なる「文字起こし」としてのOCR提供に留まらず、お客様独自の複雑な業務ロジックを深く理解し、実務に即した「AIエージェント」としてのシステム構築を得意としています。

今回の事例のように、属人化や高負荷が課題となっている高度な照合業務・データ構造化についても、LLMの柔軟な解釈力を活かすことで抜本的な改善が可能です。同様の課題をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社の業務フローに最適なソリューションを共創させていただきます。

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